2025年12月13日(土)、「蒔絵でおもてなし!年末年始を華やかに彩るお盆づくり講座」を開催しました!
はじめに、講師を務めていただき会場にもなっている「能作」さんの紹介からスタート。
能作は安永9年(1780年)創業、漆の販売から漆器の製造・販売までを一貫して行っており、金沢漆器や加賀蒔絵の魅力を多くの人に伝える活動を続けている老舗です。

続いて、蒔絵についての基本知識を教えていただきました。
蒔絵とは、漆(うるし)で描いた模様の上に、金・銀・錫(すず)などの金属粉や色粉を蒔きつけて、乾燥後に磨き上げて模様を浮かび上がらせる、日本の伝統的な漆芸の装飾技法なんだとか。
ここ石川県では、漆塗りの文化とともに発展してきました。
石川県の漆塗りには、輪島塗・山中塗・金沢漆器の3種類があり、「塗りの輪島(堅牢優美)」「木地の山中(轆轤技術・椀)」「蒔絵の金沢(華やかな加飾)」とそれぞれに特徴があることも学びました。
今回のワークショップでつくるお盆は「金沢漆器」にあたるもので、華やかな蒔絵が大きな魅力です。


漆器づくりも蒔絵も職人技術による工程の多さ、手間暇や時間がかかることも教えていただきました。
場合によっては、数年〜十数年かけて作られるものもあるんだとか。
お話の次はさっそく蒔絵体験へ。
体験では、あらかじめ輪郭線が描かれたお盆の中から好きなデザインを選び、蒔絵の色付けをしていきます。

ここからは能作のスタッフの方にバトンタッチし、蒔絵体験の基本的な流れをレクチャー。



漆を塗った部分に、漆が乾く前に金粉や銀粉などを掃き掛け、色を定着させていく…という流れで、一見するとカンタンそうですが、これがなかなか繊細な作業で、参加者のみなさんはとても緊張しながら取り組んでいました。



つづいて、漆を塗った部分をどんな色のグラデーションにしたいか、頭の中でイメージしながら、慎重に金属粉や色粉を蒔いていく工程です。

まずは、グラデーションとなる色を絵柄の端に配置。


そして、筆で少しずつ粉を広げて、色を重ね合わせます。


すると、こんなきれいなグラデーションに彩色されるんです!

十人十色の彩色は、まるで小さな花火のようで、とてもきれいでした。





ワークショップ中は、能作のスタッフのみなさんが一人ひとりを丁寧にサポート。グラデーションの出し方や、間違えてしまったときの修正方法なども、会話を交えながらわかりやすく教えていただきました。

そしてついに、思い思いの素敵なお盆が完成!






花鳥風月をテーマにしたデザインのお盆は、年末年始のおもてなしはもちろん、季節を問わず日常でも使いやすい仕上がりです。

当日は、小学生からご年配の方、外国人の方まで幅広くご参加いただき、会場は終始なごやかな雰囲気。
参加者からは「むずかしいけど面白い」「だんだんコツがつかめて楽しい」といった声が聞かれ、蒔絵を通して日本の伝統文化に触れる時間となりました。

石川県ならではの伝統工芸・伝統技術である漆器や蒔絵を、ぜひおもてなしに活用していただけると嬉しいです。
ご参加いただいたみなさま、そして能作のスタッフのみなさま、どうもありがとうございました!