もてラボ おもてなし研究所

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おもてなし研究講座「コーヒー講座」レポート

2024年2月10日(土)に『コーヒーでおもてなし!いろいろな抽出器具で飲みくらべ講座』を開催しました。

講師にお迎えしたのは、石川県金沢市のスペシャルティコーヒーショップ「townsfolk coffee」の店主・鈴木辰一郎さん。
金沢ではまだまだ数少ない、自家焙煎の“スペシャリティコーヒー”が楽しめる人気のカフェです。

まずはじめに、「スペシャリティコーヒーとはどんなコーヒーか?」という基礎知識をはじめ、近年のコーヒー生産にまつわるお話やその品質の高さなどをお米の産地の例え話でわかりやすく教えていただきました。

そして、今回の講座のテーマである「抽出器具」についての説明へ。

まずは、コーヒーにはさまざまな抽出方法があることを教えていただき、その中から今回使用する器具「フレンチプレス」「エアロプレス」「ハンドドリップ」の3種類をご紹介いただきました。

器具によって引き出せる味わい、メリットやデメリット、扱いやすさも異るんだとか。
使い方をはじめ、それぞれの特徴を教えてくださいました。


最初のレクチャーは「フレンチプレス」について。

フレンチプレスの特徴は、豆を挽いた粉をお湯に一定時間浸して抽出する浸漬式なので、 分量と時間を守れば誰でも簡単に、風味のブレがなく淹れられることなんだとか。
忙しい朝の時間や、大勢の人にコーヒーを淹れる時などに便利だそうです。

実際の使い方を教えていただきました。






コーヒー豆とお湯の比率、お湯の温度、時間を測ることの大切さなどをわかりやすくレクチャーいただきました。

フレンチプレスで淹れていただいたコーヒーを試飲してみると、まったりとコクのある味わい。
金属製フィルターなのでコーヒーの油分がたっぷりと抽出されるのも、フレンチプレスの味わいの大きな特徴だそうです。

デメリットは金属製フィルターなので微粉が液体に混じることだとか(スタッフもいただきましたが、ほとんど気にならなかったです)。

続いては、「ハンドドリップ」(紙フィルター)のレクチャー。

ハンドドリップは、日本で最も一般的な淹れ方として楽しまれている抽出方法。

特徴としては、道具が手に入りやすく、さまざまなドリッパーの違いで楽しめること。
また、紙のフィルターが油分を吸収するので、すっきりとしたクリアな味わいになるそうです。

デメリットは「淹れる人やその時々によってブレが出ること」ということで、できるだけブレの出ない美味しい淹れ方をレクチャーしてくださいました。


重要なことは、コーヒー豆とお湯の量の比率はもちろん、きちんと時間を測って淹れることなんだとか。
その都度のタイミングで入れるお湯の量や秒数などを細かく教えていただきました。

レクチャーのあと、実際に参加者のみなさんでハンドドリップに挑戦。






お湯を注ぎ始めるときにタイマーをスタートして、45gのお湯を10秒間で注いで、30秒間待って、さらに45gのお湯を10秒間で注いで…といった具合で淹れていくのですが、やはり慣れていないと慌ててしまう参加者の方もちらほら。

これをマスターすれば、いつ淹れてもブレのない美味しさを楽しめるようになるとのことで、みなさんで時間計測などを協力し合いながら、真剣に取り組んでました。

続いて「エアロプレス」のレクチャーへ。

エアロプレスはアメリカのフリスビーメーカーが開発した器具で、 持ち運びもしやすくアウトドアでも簡単にコーヒーを楽しめる抽出方法。
空気圧で抽出することが最大の特徴で、粉を細かくしてもプレスして液体を押し出すことができるため、レシピの幅が他の器具よりも広いそうです。

粉を入れて、お湯を注いで、撹拌して、注射器のようにぎゅーっとプレスするだけ。
とても簡単で、お手入れも楽ちんです。
忙しいときに1杯だけ淹れたいシーンにも便利そうでした。



はじめて見る淹れ方にみなさん興味津々。

実際に参加者の方にもエアロプレスに挑戦していただきました。





エアロプレスで抽出したコーヒーは、ペーパードリップと比べると抽出の際にかかる圧力が強いため、コーヒーの成分をよりしっかりと出せるそうです。
またプレス時に乳化現象が起こるため、ほんの少しとろっとした舌触りになるのも特徴です。

参加者の方から「甘くて美味しい!」という声もあがってました。

3種類の抽出方法を学び、実際に淹れ方を体験して味わうことで、自分の好みを再発見し、コーヒーの奥深さや楽しみ方を学ぶことができました。


自分で淹れたコーヒーを飲みくらべながら、最後はコーヒーにまつわる質問コーナーも。

「コーヒー豆は冷凍保存した方がいいの?」「スケールは使った方がいいの?」「ペーパードリップのときは落とし切った方がいいのか?」「ペーパーフィルターは濡らした方がいいのか?」などなど、いろいろな質問に鈴木さんが丁寧に答えてくださいました。

プロの知識や経験を教えてもらって、とても充実したワークショップとなりました。

鈴木さん、参加者のみなさま、どうもありがとうございました!

今回学んだコーヒーの抽出方法の知識を、おもてなしの場でぜひ活用いただければ嬉しいです。

鈴木さんのお店「townsfolk coffee」ではコーヒー豆を各種扱っており、イートインはもちろん、ギフトなどのご相談にも応じてくださいますので、ぜひご利用ください。