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おもてなし研究講座「浅煎りコーヒー」レポート

2022年2月19日(土)に『浅煎りコーヒーでおもてなし!コーヒー飲みくらべ&ドリップ体験講座』を開催しました。

※これまでも感染予防対策を徹底しておりましたが、会場の感染予防対策に加え、より一層の対策を実施しました。参加者のみなさま、会場スタッフのみなさま、ご協力ありがとうございました。

今回、講師にお迎えしたのは、石川県金沢市のスペシャルティコーヒーショップ「townsfolk coffee」の店主・鈴木辰一郎さん。
金沢では珍しい自家焙煎の“浅煎りコーヒー”が楽しめる人気のカフェです。

今回の講座では、豆のちがいなどの基礎知識をはじめ、スペシャリティコーヒーの飲みくらべやドリップ体験などをレクチャーしてもらえるとあって、週末の夜にもかかわらずたくさんの方にご参加いただきました。

まずは、鈴木さんの自己紹介からスタート。

スペシャリティコーヒー先進国である北欧・デンマークにてロースター兼バリスタとして経験を積み、浅めの焙煎でコーヒー豆の素材自体がもつ本来の味わいや風味を感じてもらいたいという想いで、北陸にはまだ少ない「スペシャリティコーヒー」のみを取り扱うコーヒー専門店を2020年7月に金沢市高岡町(玉川図書館裏)にオープンした経緯について話してくれました。

そして、そもそも「スペシャリティコーヒーってなに?」という基本的な話へ。

鈴木さんが丁寧につくってきてくださった資料とともに、スペシャリティコーヒーについてを解説していただきました。

スペシャリティコーヒーの定義を端的にいうと『風味の素晴らしい美味しさであること』。
風味の素晴らしい美味しさとは、「際立つ印象的な風味の特性があること」「爽やかな明るい酸味特性があること」「口に残るコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと」なのだとか。

さらにいうと、スペシャリティコーヒーは適正な栽培管理・収穫・生産処理・選別そして品質管理をされているものであり、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆となり、適切な抽出がなされ、コーヒーとなってカップに注がれるもの。

だから、生産地や生産者の顔が見えて、特徴的な素晴らしい風味特性を味わえるのだそうです。

持続的なコーヒー豆の生産管理をされていたり、生産者にきちんとした対価が支払われるフェアトレードを徹底していたりと、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展のために、スペシャリティコーヒーにはサステナビリティとトレイサビリティの考え方があることも学びました。


また、スペシャリティコーヒーの評価基準として「苦味」は原点要素となることや、「コク」という概念もないことも驚きました。

また、なぜスペシャリティコーヒーは浅煎りにするかということも教えてくださいました。
例えとしての特産の牛肉の話がとてもわかりやすかったです。

熱心に耳をかたむける参加者のみなさまからは、さまざまな質問があがり、とても勉強になる時間となりました。

そして、そんなスペシャリティコーヒーを今回は5種類も飲みくらべました!

今回はそれぞれの豆の風味をより引き出すのに適した「フレンチドリップ」で淹れながら、ネルドリップやフレンチドリップの使い分けについても教えていただきました。


農園名、産地、地域、標高、コーヒーの種子を果実から取り出し「生豆」と呼ばれる状態にする精製処理方法のちがいなどの説明を聞きつつ味くらべをして、5種類それそれのカップのコーヒーがどれに当てはまるのかをクイズ形式で実施。

自分の嗅覚や味覚を研ぎ澄ませて、スペシャリティコーヒーと向き合います。

正解発表!

精製処理方法だけがちがう豆もあったりしてかなりの難問でしたが、それぞれの味わいの特徴を体感できて楽しいひとときでした。

なんとなくワインのテイスティングに似ているな〜と思って聞いてみたところ、スペシャリティコーヒーはワイン産業のノウハウも取り入れて発展してきた経緯もあるんだとか。

そして、いよいよドリップ体験。

鈴木さんが美味しいコーヒーを淹れるためのドリップ方法をレクチャーしてくださいました。

ドリップにいちばん大切なことは、コーヒー豆をきちんと量ること、そして時間をきちんと測ること。
目分量や感覚でドリップするプロはいません!と断言するほど、大切なことなんだとか。

お湯を注ぐ量やタイミングなど、ちょっとむずかしそうでしたが、慣れればできそうなくらいとてもシンプルでした。



一人ひとりにコツをレクチャーしたり、質問に答えたりと、丁寧にわかりやすく教えてくださる鈴木さん。

参加者のみなさん、自分で淹れたコーヒーを味わいながら、スペシャリティコーヒーの美味しさや奥深さについて体感している姿がとても印象的でした。


スペシャリティコーヒーについて、じつにさまざまなことを学べた奥深い講座となりました。

来客時にスペシャリティコーヒーをドリップしてお出しできたら素敵ですね!
美味しいコーヒーをおもてなしに活用していただけるとうれしいです。

なんと、参加者のみなさまにはコーヒー豆のお土産も!


鈴木さん、参加者のみなさま、どうもありがとうございました!

そして、会場を貸してくださった ハイアット ハウス 金沢 の空間もとても居心地が良く、スタッフの方々にもいろいろとサポートいただきました。
本当にありがとうございました。

ぜひ、鈴木さんのお店「townsfolk coffee」をはじめ、 ハイアット ハウス 金沢 もご利用いただければと思います。おもてなしにもオススメですよ!

外出ができなかったり、人と会うことも悩んでしまう状況が続いておりますが、今年も感染予防対策に重点を置きながら、誰かを思いやる心構えや知恵(=おもてなしの心)を育む場をつくっていければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。